今日の作陽定食は、「ごはんと焼肉、春巻きとチーズ焼き」でした。出来たてバーガーも食べて、焼きそばも食べて、おにぎりも食べて、唐揚げも食べて、ランチで焼肉ですか。うらやましいですね成長盛りは。いくら食べても、まんぷくにはなりません。
「胃の満腹状態」と「脳が感じる満腹感」にはズレがある
空腹がもたらす「食欲」も、人間の活動の根幹をなす欠かすことのできない本能です。食本能(消化吸収本能)は数日途切れれば、たちまち生命の危機にさらされてしまいます。空腹状態で血液中の糖分(ブドウ糖)が足りなくなると、脳の視床下部にある摂食中枢が活発に働き出して「ものを食べろ」という指令を出します。それが食欲の正体ですが、一方、満腹のメカニズムにはある特徴があります。それは、胃の満腹状態と脳が感じる満腹感の間にズレがあるという点です。満腹感というのは、じつは胃袋が満タンになったときに生じる感覚ではありません。それには脳の神経細胞が介在していて、脳の視床下部にある満腹中枢が刺激されることによって得られるのです。一定量の食事を摂ると血糖値が上がって、「満腹だ」という信号が脳の満腹中枢まで届く。すると、満腹中枢が「もう十分」という指令を出して食欲がストップする。こういう仕組みになっています。ということは、脳さえ満腹信号を察知すれば、胃袋の許容量いっぱいまで詰め込まなくても私たちは満腹感を覚えることができるのです。逆にいえば、胃袋が満腹状態になったときにはすでに食べすぎているわけです。ただ、この脳のメカニズムが作動するまでには(血糖値が上昇して満腹中枢が食欲に抑制をかけるまでには)、食事を始めてから30分くらいの時間が必要です。したがって、30分以上かけてゆっくり食事を摂れば、それほどたくさんの量を食べなくても満腹感は得られます。腹七~八分程度の適量で十分満足できるのです。
食べすぎるのはだいたい「早食い」が原因
早食いとはつまり、脳がまだ満腹信号をキャッチしないうちにどんどん胃に食べものを詰め込んでしまう行為です。食べすぎの原因はたいていこれなのです。
満腹メカニズムが理解できると、食欲を人為的にコントロールする方法もおのずとわかってきます。それは、ゆっくり食べることです。ゆっくり時間をかけて食べれば、少量でも十分満腹感は得られるのです。また、ゆっくり食べると、人間は自然とよく噛むようになります。よく噛むと、加工食品の濃い味つけに頼らなくても、素材のもつ自然で微妙な味で満足できるようになる。いってみれば味覚が敏感になるのです。味覚が鋭敏になれば、塩分や脂肪分の摂取量もおのずと減ることになり、脳の活性化にもつながっていきます。
飽食の時代の今、人間のぜいたくな食本能を充足させる環境は整いすぎるほど整っており(世界に目を転じれば、そんな国ばかりではないのですが)、当然、私たちが脂肪分や糖分を好む本能は以前よりもずっと強くなっています。だから、なおさら食べすぎる。栄養過剰、カロリー過多が肥満や糖尿病、高血圧などの生活習慣病に直結してしまうので注意しましょうね。
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