今日の作陽定食は、「魚の黒酢あんかけとナポリタンスパ、胡麻和え」でした。お肉系が続いていたので、魚がおいしいですね。魚は日本の食文化。日本人でよかった。
発酵学者・食文化論者の小泉武夫氏は次のように語っています。日本は周囲を海で囲まれた海洋国家です。昔から魚を捕る機会は多く、縄文時代中期(約5000-4000年前)からすでに魚食をしていた記録が残っています。親潮と黒潮の流れが小魚を沿岸近くに運び、それを追って大きな魚たちが集まってくるので、豊かな漁場が沿海に数多くありました。海から内陸に視線を移すと、日本は国土の中央に山脈が走っており、年間2000ミリ近い雨量があります。大量の雨は山脈で分かれて太平洋側と日本海側に多くの川を形成しながら流れ落ちます。これによって清流にアユ、ウグイなどが育ち、淡水魚にも恵まれています。さらに稲作民族なので水田のために用水池や沼があり、そこにも魚がいるという状況であり、今から100年ほど前まで日本人はほとんど肉食をせず、魚を主な動物性たんぱく源としていました。動物性たんぱく質は体内でアミノ酸になり、スタミナ源として機能しますが、栄養面では主材の大豆の植物性たんぱく質でも十分なので、副材はなくても和食は成り立ちます。ただ、魚は動物性たんぱく質のなかでも日本人が長い歴史の中で食べ続けてきたという点で、和食文化には重要な存在です。魚だけは命をいただくことへの感謝を持ち、はらわたや骨まで無駄にせず食べてきたのです。
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